「MC☆あくしず」の発刊に寄せて
イカロス出版より刊行されたハイパー美少女系ミリタリーマガジン MC☆あくしずを買った。
「あー、よくある萌え系雑誌かー」と思いながらパラパラとめくってみたが、面白いことに気づいたので書いてみる。
表紙
ぱっと見、ミニスカ・ヘソ出し・ローレグ・絶対領域の金髪ツインテール美少女戦車兵という、萌え系雑誌ではよくある表紙である。戦車兵というあたりがミリタリー雑誌のイメージを残しているが、それ以外はマジキューや電撃萌王などと何ら変わるところはない。せいぜい裏表紙がとらのあなになっているくらいだ。
しかし、騙されてはいけない。すでに罠は始まっているのだ。
#ちなみに、タイトルの“MC”は「MILITARY CLASSICS」の略で、この雑誌の姉妹誌という意味らしい。
特集
重戦車ティーガーIを特集しているのだが、見出しとかイラストが明らかに萌え雑誌を意識したものになっている。イラストレーターも思わずにやりとしてしまう名前が並んでいる。ところが、本文は真面目なティーガーIの紹介記事なのだ。ミリタリーマガジンの面目躍如である。
そして、今号の最大の売りがティーガーIの擬人化である。しかも、ただ美少女にしただけではない。イラストレーターがわかっている人なので、ティーガーIの特徴をよく掴んでいるのだ(しかし、ティーガーIを擬人化すると、ドジっ娘お姉様になるのか。すげぇな)。
連載
普通の記事のほか、小説やコミックが連載されているのだが、そのすべてに美少女が登場する上に、すべてミリタリーに関係しているのだ。
飛行機乗りや戦車兵、水兵などが主人公だったりするのはともかく、学園ものの小説に登場する少女の名前が旧帝国海軍の艦艇の名前だったりするのだ。箒に乗った巫女がB-29を撃墜するコミックとか、もうどう突っ込んでいいのやら……。
また、ゲームやフィギュアの紹介記事もあるのだが、そのラインナップがすごい。
- ガジェット トライアル
- まりたん集中ドリル かいへい2ねんせいよう
- トリガーハート エグゼリカ
- スカイガールズ
- 機械化歩兵シリーズ ソビエト連邦空軍試作機Mig60
- 「ガンスリンガー・ガール」 ヘンリエッタ フィギュア
- フランス戦車 B1bis
- タクティカルロア04
そのすべてが美少女と兵器に関係しているという……ここまでやると、むしろ清々しいくらいだ(あ、B1bisには美少女は絡んでないか)。
広告
記事だけではない。掲載されている広告を上げてみると……。
- SIMPLE DSシリーズ Vol.8 THE 鑑識官
- イカロス出版「萌え」シリーズ
- 萌え萌え銃器事典 & 萌え萌え武器事典
- イカロス出版ミリタリー選書
- イカロス出版ミリタリーBOOKS
- Jグランド
- ミリタリー・クラシック
- とらのあな
半分以上がミリタリー関係というあたり、徹底しているというか何というか……てか、ほとんど自社製品の広告じゃないか(笑)。むしろ、何でとらのあなが広告を出したかが気になるぞ。
結論
この雑誌は、一見するとミリタリー+美少女をテーマとした萌え系雑誌のように見える。ところが、萌えとか美少女とかに惹かれて読んだオタクをミリタリーに引き込もうという目的を持っていることも窺える。
もうひとつは「ミリタリーへの敷居を低くしたい!」というものです。20数年前からファンが減りっぱなしのミリタリー業界。このままでは僕たちの好きな戦車とか戦艦とか戦闘機とかがもっとマイナーなジャンルになってしまいます。それはまずい。ここいらでいっちょ、ミリタリーネタに対して前衛的かつキャッチーなアプローチをかける雑誌を作って、少しでもファン層を拡大したい…というちょっとだけ真面目な動機もあったりします。
まあ、「発刊にあたって」にこう書いてあるしな(笑)。私も引っかかった口だし(ぉ
だって、イラストレーターのラインナップがすごいんだよ? 山本七式さんとか巻田佳春さんとか野上武志さんとかE=MC2さんとか栗橋伸祐さんとか颯田直斗(三ヶ日未完)さんとか速水螺旋人さんとか!
何にせよ、このままコケること無く、長く続いてほしいと思う。
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